1人1台持っている事が当たり前になったスマートフォンは、
ゲームや動画アプリで大容量の通信を行っているとすぐに通信制限状態に陥ってしまいます。
またニンテンドースイッチやPS4など、最新ゲーム機を最大限楽しもうと思うとネット環境が必要になってきますね。
それらの問題を全て解決してくれるのが、無線LAN(Wi-Fi)ルーターです。
そこで『何か良い無線LANルーターはないかなぁ?』と探してみても、
聞き慣れない単語ばかりでどれを選んで良いのかさっぱり・・・。
『通信制限を気にせず、インターネットをもっといっぱい楽しみたい!』
『オンラインゲームをもっとサクサク遊びたい!』
この記事ではそんな悩みを全て解決するために、
初心者でも分かる無線LANルーターの選び方から各専門用語の解説、おすすめの機種まで全てを網羅した最新情報をお届けします。
これを見ればもう何も迷う事なく、あなたに合ったぴったりの一台がきっと見つかりますよ!
目次
そもそも無線LANルーターとは?
ほとんどの方はなんとなくご存知かと思いますが、一応ここから説明させていただきます。
特に興味が無く、選び方やおすすめ機種が知りたい方は上記目次より目的の項を選択してください。
無線LANルーターとは、
パソコンやスマートフォンをインターネットにワイヤレスで接続するために必要な機器です。
引き込まれたネット回線を無線LANルーターに繋ぎ、そこから電波を発信してそれによりパソコンやスマートフォンはインターネットに接続する事が出来ます。
引用元:アイ・オー・データ機器
ちなみに、画像ではWi-Fiルーターとなっていますが無線LANルーターと意味は全く同じです。
厳密に言うと少し違うような気もするのですが、「Wi-Fiと無線LANは同じもの」と考えてもらっても大丈夫ですね。
このようにネット接続するための電波を飛ばす機器が無線LANルーターですが、
実は親機と子機の2種類があります。
親機は電波を飛ばす機器で、子機は親機から飛ばされた電波を受信するための機器です。
ですので自宅でWi-Fiを飛ばしたいのであれば、必ず無線LANルーター(親機)を購入してくださいね。
ここらで迷う方はほとんどいらっしゃらないかと思いますが、一応間違えないようにしてください。
既にインターネット回線契約が終わっており、無線LANルーターを用意したのであれば後は接続設定をするだけです。
専門用語は難しいですが、最近の機種は接続設定もボタン1つで行えたり、
スマホ・iPhoneのみでOKな機器も多いので買ってしまえば後は意外と簡単ですよ。
無線LANルーターだけでネットが使える?
ネットで良く見かけるこの手の質問ですが、結論から言ってしまうと
無線LANルーターだけでは、ネットに接続する=インターネットを使う事はできません。
難しくなり過ぎるのでかなり端折りますが、無線LANルーターは中継器のようなものです。
ですので自宅でネット環境を構築したい(Wi-Fiを飛ばしたい)のであれば、無線LANルーターを準備する前にネット回線を用意する必要があります。

わかりやすくまとめるとこんな感じですね。
上図からも分かる通り、無線LANルーターは無線(Wi-Fi)だけの接続だけでなく、LANケーブルを使って有線での接続も可能です。
そして、ここから少し話がややこしくなるのですが、
インターネットを利用する為には上図のプロバイダ以外にも回線業者と契約しなければなりません。
つまり回線契約(フレッツ光など)とプロバイダ契約(So-netなど)両方が必要になるのです。
もちろん、利用料金も両方に払う必要があります。
…と、このままでは契約も請求もゴチャゴチャになってかなり面倒ですよね?
そこでおすすめしたいのが、回線とプロバイダがセットになった【光コラボサービス】です。
このサービスであれば、回線とプロバイダが1セットになっているので契約も1つで済みますし、利用料金も1つの業者に支払えばOK。
そもそもの利用料金も比較的安めなので、特に強いこだわりが無いのであれば光コラボで契約した方がお手軽で安く済むのです。
『じゃあ、光コラボでおすすめの業者を教えて!』なんて声が聞こえてきそうですが…
お住いのエリアや、利用しているスマホのキャリアによって割引サービスなどが変わってくるので、一概にこれが良い!とは言えないんですよね。
しかしそうやって投げっぱなしにしておくのも少し違うような気もするので、有名どころからいくつかピックアップしておきます。
以下の中から利用料金などでを比較して、ご自身が良いと思う業者を選択してください。
もしご自身で選ぶ際は、出来るだけ安すぎる業者は避けるようにしてください。
というのも、こと通信業界で言えば「安かろう悪かろう」の傾向が強いのです。
上で紹介した3つであれば、
誰でも聞いた事のあるような大手プロバイダなので「合う・合わない」はあるにせよ「悪い」といった事はないでしょう。
話がだいぶそれたような気もしますが、以上の通り無線LANルーターのみではインターネットは利用できません。
無線LANルーターの選び方
では、ここから本題に戻していきましょう。
多くの方が頭を抱えるのが、この無線LANルーターの選び方です。
お金に余裕があるのであれば、最新モデルで比較的高め(8,000円くらい~)、
かつ最も評判の良い機種を選んでおけば間違いないですが、出来るだけ賢く買いたいですよね。
選び方は使用する目的・環境によって変わるので一概には言えませんが、
難しい事を一切考えたくないのであれば11ac規格の機器から選んでおけば問題ありません。
この規格については後述する上級者編で解説してますが、
最近のパソコン・スマホ(2015年頃~)はほとんどがこの規格に対応しているので、問題無いという事です。
また、基本的に無線LANルーターの規格というのは「大は小を兼ねる」ので、
仮に2015年より以前のスマホやパソコンをお使いであってもなんら問題はありません。
『いやいや、もっとちゃんと選びたい!』という方も多いかとは思いますので、
初心者編と上級者編に分けて選び方を解説していきます。
ルーターの選び方~初心者編~
お部屋の間取りから選ぶ
先程チラッとお伝えしましたが、
無線LANルーターは利用する目的・環境によって変わるので一概にコレが良い!といった選び方はできません。
本来は用語をしっかりと理解し、回線契約の内容からビームフォーミングなど求める機能・回線速度などを考えなければいけませんが・・・。
何も分からない状態からではさすがに無理があるので、1つの指標としてお部屋の間取りを目安にすると良いかと思います。
有名なPC周辺機器メーカーであるBUFFALOの製品情報ページには、
間取り別で具体的な製品がおすすめされています。
また、無線LANルーターの商品名や箱に「〇LDK、〇人用」なんて書いてあったりもしますね。
お部屋の間取りより一回り上の機器を選ぶ事をですね。
というのも、無線LANルーターはほとんどお部屋の隅か端に置くことになるので、
場所によっては電波が届かなかったりする可能性があるのです。
これはあくまで私の経験則なので特に根拠はないのですが、
例えば間取り3LDKなのであれば4LDK対応の製品を選んでおけば接続が不安定になったりする事もないので安心ですよ。
接続設定の手軽さで選ぶ
無線LANルーターには様々な規格があり、それによって発信する電波の種類が変わってきます。
また同じ規格でも、アンテナによって通信速度も変わってきたりしますね。
ですが、それらは先ほどの間取りから選んだ機器であればさほど気にしなくて良いでしょう。
メーカー側もそのあたりは考慮してあるので、しっかりお部屋の間取りにあった機器を選んでおけば十分な速度・快適性があります。
しかしそこまで絞っても、まだ種類は豊富だったりしますよね。
そこで、その中でも特に初心者の方が選ぶと良い機器は接続設定が手軽に行える機種なんです。
最近でこそスマートフォン一台で設定できる機器も多いですが、中にはパソコンが必要な機器もあったりします。
パソコンでの接続も決して難しくはないのですが、そもそもパソコンをお持ちでない方もいらっしゃるはずです。
ですのでそういった方々は、必ず手軽に接続できる機器を選ぶようにしましょう。
例えばこちらの機器なら、スマホやタブレットのみでの接続が可能です。
接続自体も特に難しい事は一切なく、
機内モードに設定する
↓
ブラウザにURL欄に特定の文字列を入力する(製品説明書記載)
↓
付属品であるQRコードを読み取る
たったこれだけです!
もちろんメーカーや機器によって違いはありますが、ほとんどは老若男女問わず誰でも簡単に接続できます!
家電量販店で購入するような最近の機器ならほとんど大丈夫ですが、
Amazonなどネットで購入する場合は古い製品でこのような簡単接続設定が行えないものもあります。
不安であればメーカー公式ページで確認するか、「型番+かんたん接続」と検索すれば良いでしょう。
目ぼしいサイトがヒットしなかった場合はスマホ接続に対応していない可能性がありますので、その機器はやめておいた方が良いかもしれません。
ルーターの選び方~初心者編まとめ~
- 間取りより一回り上の機器を選ぶ!
- その中でも、接続設定はスマホのみで行えるような簡単な機器を選ぶ!
特に①を守って選んでおけば、ほぼ間違いないハズです。
ちなにみ、ほとんどは無線LAN機器に付属しているので大丈夫ではありますが、使うLANケーブルはカテゴリ5e、もしくはカテゴリ6の製品を選ぶようにしてください。
これも回線契約の内容によるのですが、現在主流となっている光回線はほぼ回線速度1Gbps(ギガビットパーセカンド)です。
この速度は2017年現在最高クラスのスピードなんですが、これを活かす為にはそれに対応した無線LANルーターは勿論ながらLANケーブルも必要となってきます。
その対応したLANケーブルが、カテゴリ5e、もしくはカテゴリ6以上の製品という事なんですね。
まあ実際のところ、現在カテゴリ5e以下のLANケーブルを見つける方が難しかったりするのですが、
たまーに激安!という謳い文句で見かける事もあるので注意してください。
カテゴリはパッケージのスペック欄に必ず記載されていますので、
特にセール品などを購入する際は気を付けてチェックしてみて下さい。
ルーターの選び方~上級者編~
ここからは上級者編の選び方です。
上級者編と銘打ってはいますが、1つ1つの専門用語まで都度解説を入れていき、出来るだけ誰でも理解できるように進めていきます。
中には分かりやすさを優先し、厳密に言えば異なった部分もあるかとは思いますがご了承下さい。
さて、初心者編では部屋の間取りという比較的広いカテゴリから選んでいった訳ですが、
上級者編ではあなた自身に選んでいただきたいと思います。
おすすめの選び方が確立できない理由
選び方の項で少しだけ触れたのですが、おすすめの選び方が確立できない理由は使用する目的・環境が1人1人違うから、といった事でした。
極端な事を言えば、光回線を利用しておらず端末を1台しか接続しないのであれば、
1Gbpsに対応した機器はオーバースペックとなり無駄になりますし、
とにかく速度にこだわるのであればビームフォーミング対応など高性能な機器を選ぶ必要があるのです。
と、ここまででも色々専門用語が出てきましたね。
そこでまずは無線LANルーターの規格から解説していきます。
無線LANルーターの規格について
無線LANルーターを見てみると、「IEEE802.11ac」や「11ac/n/a/g/b」といった暗号の様なものが書いてありますよね?
これが無線LANルーターの規格というもので、簡単に言えば周波数の帯域や特徴によって規格が分類されます。
見るべきポイントは、「IEEE802.11」以降の「ac」や「n」といったローマ字です。
現行の無線LANルーターで最もハイスペックな規格は「11ac」であり、
現在光回線を利用していて最大限のパフォーマンスを発揮させたいのであれば、この「11ac」規格の無線LANルーターが必須です。

11ac以外の規格スペックは上記表の通りになっています。
なんだかややこしいですが、現在出回っている機器はほとんど「11n」か「11ac」なのでそれら2つだけを覚えておけば良いですね。
ちなみに、11acスペックを最大限発揮しようと思うと受信する側も11ac対応の製品でなければいけませんが、別に対応していなくとも使用できないといった事はありません。
というのも、選び方の項でチラッとお伝えしましたが無線LANは「大は小を兼ねる」んですよね。
つまり11acの無線LANルーター11a~11n規格全てに対応しているという事です。
なので無線LANルーターの商品名や箱には「11ac/n/a/g/b」といった表記がなされているんです。
ストリームについて
さきほどの表で「ストリーム」という新しい単語が出てきましたよね。
こちらも無線LANルーター選びでは大切なポイントになるので、しっかり覚えておきましょう。
結論から言ってしまうと、ストリームとは「アンテナの数」です(厳密には少し違う)。
無線LANルーターのアンテナはデータを飛ばす役割を持っており、単純に多ければ多いほど通信速度は速くなります。
先程の表で言えば、11nであれば4つのアンテナを駆使する事で最大600Mbpsの速度が出せるという事です。
アンテナの数は製品によって違うので、同じ11nの無線LANルーターでもストリーム数が2であれば最大300Mbpsの速度しか出ません。
イメージとしては、高速道路を思い浮かべてもらえれば分かりやすいですね。
例えば1車線の高速道路から2車線の高速道路になったら、一度に多くの車が目的地に向かう事が出来ますよね?
ストリーム数はそれと同じで、増えれば増えるほど一度に多くのデータを通信出来るという事です。

しかしここで注意点がありまして、
無線LANルーターで4つのアンテナから最大600Mbpsの電波を発信していても、受け取る側にアンテナが4本なければ何の意味もありません。
例えば受け取る側にアンテナが2本しかなければ、無線LANルーターが4アンテナの600Mbpsでも半分の300Mbps分の力しか発揮できないという事です。
そして2017年現在、世に出回っているスマホやタブレットのほとんどは2アンテナの製品ばかりなので、単独での使用ではほぼオーバースペックとなってしまいます。
『じゃあ意味ないじゃん?』と思われるかもしれませんが、あくまでオーバースペックとなるのは単独・単一端末での使用時です。
例えば家族二人、2台のスマホで使用するのであれば複数ストリームある無線LANルーターの方が1台1台素早く通信する事が出来ます。

たとえ一人暮らしの方であっても、パソコン・ゲーム機などを繋ぐ予定があるならストリームの多い機器が望ましいですね。
実際には、これはMU-MIMO(マルチユーザーMIMO)という機能で、この機能が無ければたとえアンテナが複数あっても一度に処理できるのは1台ずつのみです。
また、この機能は受信する側(スマホ等)も対応していなければなりません。
iPhoneであれば6以降、エクスペリアであればZ4・Z5などがこの機能に対応しています。
※全ての対応端末を挙げる事は出来ないので、取り扱い説明書などで端末のスペックをご確認ください
ですがこのMU-MIMO機能がなくとも、やはりアンテナが多い方が1台あたりの通信も早くなります。
そもそも1ストリームでは出せる速度にも限界があるので、たくさん機器を繋げてなおかつ快適な通信をしたいならストリーム数の多い製品の方が絶対に良いですね。

現在はまだまだMU-MIMOに対応する端末は少ないですが、
これから必ず増えてくるかと思いますので将来性を見越すのであれば、MU-MIMO対応の無線LANルーターを購入しておく事をおすすめします。
ちなみに、本当に端末1台しか接続しないのであれば、
1Gbps以上の速度は絶対に出ない(※最大通信速度の項参照)ので11ac、2ストリームの無線LANルーターであればほぼ理論速度値は出せます。
外付けアンテナと内蔵アンテナについて


無線LANルーターには上の画像の様に、アンテナが外付けされているものとアンテナが無いもの2種類があります。
まず覚えておいて欲しいのは、右の無線LANルーターはアンテナが無いのではなく内蔵されているという事です。
さきほどのストリーム数でいうと、左のルーターは3ストリームで右のルーターはアンテナが2本内蔵されているので2ストリーム、となります。
見た目的にはアンテナ外付け型の方が電波の強度は強そうに見えますが、実は強度という観点ではどちらにも差はありません。
というのも、電波の強度は電波法で10mW(ミリワット)までと定められており、ほとんどの無線LANルーターはこの制限ギリギリの出力に設定しているためなのです。
『じゃあ、見た目がスッキリしているアンテナ内蔵型の方が・・・?』と思いがちですが、アンテナ外付け型には「繋がりやすさ」というメリットがあります。
そもそも無線LANルーターから発信される電波というものは、アンテナを中心に円周状に広がっていきます。
引用元:So-net
実際はもっと上下にも拡散しますが、わかりやすくイメージすると・・・と言った感じです。
見て分かる通り、アンテナから波紋の様に広がっていくのでこのままでは縦軸方向に電波が届きにくいですよね。
そこで、アンテナの向きを調整していきます。
引用元:So-net
ここでいう子機とは、スマホなど電波を受信する側の端末でもあります。
あくまでも一例ですが、外付け型アンテナの場合はこのように調整する事により、ある程度狙った方向に電波を飛ばす事ができるのです。
お部屋の美観を気にするのであればアレですが、無線LANルーターはある程度融通の利くアンテナ外付け型の方がおすすめです。
ビームフォーミング機能について
前項ではアンテナの位置を調整する事により、ある程度狙った方向へ電波を飛ばす事ができるとお伝えしましたが、
更に特定の端末を狙って電波を飛ばす事ができる「ビームフォーミング」と呼ばれる機能があります。

これにより、たとえ距離が離れていても障害物が間にあったりしても効率よく電波を届ける事ができるのです。
ですが厳密に言えば、この機能でスマホなどの端末にだけ直接電波を送れるというものでもありません。
ビームフォーミングは受信する側が受け取り易い電波を形成して送っているに過ぎないので、あまりにも障害物が多すぎたり離れすぎたりした場合はやはり切断されてしまう事もあります。
かといってこの機能が無いよりはあった方が安定性・速度共に上昇する事には変わりないので、ストレスフリーで利用したいなら必須の機能でしょう。
ちなみに、ビームフォーミングは11n規格の無線LANルーターまではメーカー側の任意搭載でしたが、11acであればほぼ全ての機器に搭載されています。
ですが利用には受信する側もビームフォーミングに対応していなければならないので、その点はご注意ください。(iPhoneでいうと6以降)
また、ビームフォーミングを利用するのに特に設定などは必要なく、対応している機器同士であれば自動的に発動します。
最大通信速度について
最大通信速度とは、その名の通りその無線LANルーターで通信する際の最も早い速度の事です。
例えば11nの無線LANルーターなら最大600Mbps、11acなら最大6933Mbpsといった具合ですね。
ちなみにMbpsというのは「メガビットパーセカンド」の略語で、1秒間にどれくらいのデータを通信出来るかを表しています。
11n規格の無線LANルーターで言うと、1秒間に600メガビットの通信が可能という事です。
そうすると今度は『メガビットってどれくらい?』という疑問が湧いてきますよね?
そこで以下の表にまとめてみました。

この表から言うと1Gbですら爆速なので、
11acの6933Mbps=6.9Gbpsって明らかにオーバースペックじゃ?なんて思う方も多いかもしれませんが、6933Mbpsは理論値なのでまずその速度は出ません。
ストリームの項でもお伝えした通り、最大通信速度は複数のアンテナが力を合わせて初めて生みだせる数値です。
6933Mbpsは8つのアンテナから生み出されるもので、この速度で使用したいのであれば受信する側もアンテナが8つ必要になってくるのです。
お伝えした通り現状の端末は2ストリームが主流なので(ハイスペックノートPCでも3ストリーム)、まず不可能なんです。
と言うよりそもそも、現状契約出来るプロバイダの回線は1Gbpsが理論値です。
なので現状、家庭内での通信速度最大理論値は1Gbps=1,000Mbpsという事なんですね。

では1Gbpsの力であれば常に出し続けられるのかと言うと、これまたNoです。
というのも、これは無線LANルーターだけに限った話では無く通信業界全体にある「ベストエフォート」というサービスのせいなのです。
ベストエフォートを分かりやすくかみ砕いて言うと、「最大限努力(ベストエフォート)するけど、その品質は保証しないよー」といった意味。
どうしてそのようなサービス形態なのかと言うと、利用するユーザー側の環境がバラバラ過ぎるせいで統一出来ないからなんですね。
仮に妨害する壁や余計な電波、超ハイスペックのPCとLANケーブルがあれば1Gbpsもあり得るかもしれませんが、恐らくそれでもほぼ偶然の産物でしょう。
『じゃあ実測値はどれくらい?』と思う方も多いでしょうが、さきほどもお伝えした通り利用するユーザーの環境によるので一概には何とも言えません。
本当に一例に過ぎませんが、
1Gbpsの光回線でそれに対応した11ac規格の無線LANルーター、さらに11ac規格に対応した端末であれば、動画の閲覧やSNS程度なら快適に利用できるかと思います。
〇〇〇+〇〇〇Mbpsの表記の意味
例えばAmazonなどで無線LANルーターを覗いてみると、
「11ac/n/a/g/b 1733+800Mbps」といった表記を見掛けます。
BUFFALO 無線LAN親機 11ac/n/a/g/b 1733+800Mbps Giga ブラック【 Nintendo Switch動作確認済】 WSR-2533DHP-CB
これは11ac規格の無線LANルーターならではの表記で、
5Ghzでの通信なら最大速度1733Mbps、2.4Ghzでの通信であれば最大速度800Mbpsの通信が出来るという事です。
つまり、こちらの無線LANルーターからは5Ghzと2.4Ghzの2種類の周波数の電波が出ているという事ですね。
もちろん、特に難しい設定など無くどちらの電波も利用可能です。
また、11acだけでなく11nも2種類の電波を出す事が出来るのですが、11nに関しては製品によって2.4Ghzだけの機器か5Ghzまで両対応の機器があったりします。
ですが最大速度的にも将来性的にも、5Ghz利用したいのであれば11nより11acの方がおすすめです。
ルーターの選び方~上級者編まとめ~
ここまでに解説した用語をしっかりと理解すれば、あなたの環境にあった無駄の無い無線LANルーターが選べるかと思います。
初心者編でもお伝えしましたが、
1Gbpsの光回線の性能を最大限発揮したいのであれば、LANケーブルはカテゴリ5e、もしくは6eのものを使用してください。
それ以前の古いLANケーブルですと、1Gbpsを伝達できずボトルネックとなってしまい、本来の力が発揮できません。
ちなみに、現在カテゴリ7のLANケーブルなんてものもありますが、これは10Gbpsに対応するためなので現在の一般家庭環境下では必要ありません。
カテゴリ5e・6に比べるとなかなかお高いので、カテゴリ7のLANケーブルはやめておきましょう。
おすすめ無線LANルーター7選!
初心者の方も上級者の方も、『選び方はわかったけど、結局どれがいいの?』と思っている方も多い事でしょう。
そこで、私が選んだおすすめ無線LANルーター5,000円以下・1万円以下・1万円以上の価格別でご紹介していきます!
では、さっそく見ていきましょう!
5,000円以下で買えるおすすめ無線LANルーター
5,000円以下で買える無線LANルーターは、主に少人数・中範囲向けとなっています。
通信速度も高価な製品に比べるとどうしても劣ってはしまいますが、その分機器自体の価格は控えめです。
『とりあえずWi-Fiが使えれば良いや』といった方であれば、この価格帯の無線LANルーターがおすすめですね。
BUFFALO WHR-1166DHP4
Amazon:4,904円(18年5月現在)
まずは現在Amazonベストセラー1位(17年10月現在)に輝いているBUFFALO製の無線LANルーターです。
11ac規格・2×2の2ストリームで最大速度866Mbps(5Ghz)を実現。
2.4Ghzであっても300Mbpsの速度が出せるので、一般的な動画視聴などであれば問題なく利用できるでしょう。
また、これらの電波は別々に発信されており、別々に接続する事ができるので多機種接続による速度の低下を防ぎます(電波を取り合わなくなるため)。
またビームフォーミングにも対応しているので、より速度の速い安定した接続が可能です。
メーカーによる利用推奨人数は3人、推奨間取りは2階建て3LDK。
もちろんスマホを使ってのかんたん接続もOKです。
できるだけコストを抑えて、それなりの快適性を求める方におすすめの無線LANルーターですよ。
I-O DATA WN-G300R3
Amazon:2,482円(18年5月現在)
I-O DATA Wi-Fi 無線LAN ルーター iPhone8/iPhoneX対応 11n/g/b 300Mbps (2階建/3LDK向け) ペイバック保証&土日サポート WN-G300R3
最新の11ac規格では無く、11n規格の無線LANルーターです。
最大通信速度は300Mbpsと先程の機器と比べると見劣りはしますが、Twitterやインスタグラムを楽しむ程度にはなんら問題はないでしょう。
接続設定もスマホであればQRコードを読み取るだけ。
ゲーム機やパソコンなら「WPSボタン」を押すだけのかんたん接続です。
今話題のニンテンドースイッチにも対応しており、土日も電話対応してくれるなどサポート体制も万全で初心者の方でも安心ですね。
あまり多数の機器を接続するのは難しいですが、無線LANルーターのエントリーモデルとしておすすめの製品です。
エレコム WRC-1167GHBK-S
Amazon:4,200円(18年5月現在)
幅わずか26mm、背の高さも500mlペットボトル以下のコンパクトな無線LANルーターです。
11ac規格にもしっかりと対応しており、5Ghz帯867Mbps、2.4Ghz帯300Mbpsとある程度快適なWi-Fi環境が構築できるでしょう。
無線時は867Mbpsが最大速度ですが、
有線での接続であれば1Gbpsまで対応しているのでデスクトップパソコンをお使いの方にもおすすめです(デスクトップパソコンは基本的に無線でインターネットには接続できません)。
さらに、お子様がいらっしゃるご家庭に嬉しい「Webサイトフィルター機能」と「タイマー機能」で、長時間のゲームや悪質なサイトからお子様を守ってくれます。
価格的にも同スペックの機器と比べると若干お安くなっており、おすすめの無線LANです。
5,000円~1万円で買えるおすすめ無線LANルーター
この価格帯はより高速で快適な通信、さらには広い間取り・大人数にも対応したミドルレンジモデルになります。
多少お高くなってはしまいますが、快適性と充実した機能でコストパフォーマンスは最も優れているかもしれません。
使用する目的や環境によっては、初めからこの価格帯のモデルを選んでおくのもアリですね。
エレコム WRC-1900GHBK-S
Amazon:7,330円(18年5月現在)
ニンテンドースイッチ、PS4でも接続OK。
11ac規格で、こちらも最大通信速度1300Mbpsを誇る高速無線LANルーターです。
利用推奨環境は3階建て4LDK、18台までの端末を接続する事ができますね。
1300Mbpsの他にも、2.4Ghz帯の600Mbpsも同時に使用できるので、使用する電波を分ければより多くの機器を接続しても通信速度が低下しにくいです。
5Ghz帯だけで見ても元々が1300Mbpsとハイパワーですし、処理を担当するCPUが2つあるデュアルコアなので同時に複数で接続しても快適さを維持できるでしょう。
家族みんなで、ストレスフリーでインターネットを楽しみたい方におすすめの無線LANルーターです。
TP-Link Archer C7 (2017年モデル)
Amazon:8,168円(18年5月現在)
TP-Link WIFI 無線LAN 親機 11ac/n/a/b/g 1300Mbps+450Mbps ギガビット デュアルバンド 2 USBポート Archer C7 (2017年モデル)
「安くて高性能」で注目を集めている、TP-Link製の無線LANルーターArcher C7です。
11ac規格で5Ghz帯1300Mbps、2.4Ghz帯450Mbpsの高速通信が可能。
まあこれはこの価格帯では既に標準スペックのようになっていますが、他と違うのはやはりアンテナの有無です。
外部に3本、内部に3本の計6本のアンテナを搭載する事により、他とは違ったより安定した電波を広い範囲に飛ばす事ができます。
また外部アンテナは向きの調節ができるので、ある程度狙った位置に電波を飛ばす事も可能です。
ビームフォーミング機能はありませんが、アンテナのおかげで安定した通信が可能でしょう。
外国のメーカーですが、付属スタートガイドは日本語なので心配は無用です。
また保証期間も3年とかなり長いので、その点もおすすめする理由の一つですね。
1万円以上のおすすめ無線LANルーター
各メーカーともにハイエンドモデルとなるのが、この価格帯の無線LANルーターです。
ボトルネックを無くし、光回線のパワーを広範囲で・より大人数で楽しみたい方におすすめですね。
またYouTubeなどでHD画質の動画・オンラインゲームを楽しみたい方にも最適です。
逆に言えばそういった目的が無いのであれば、その性能を持て余し無駄になってしまうかもしれないのでご注意下さい。
BUFFALO WSR-2533DHP-CB
Amazon:9,580円(18年5月現在)
BUFFALO 無線LAN親機 11ac/n/a/g/b 1733+800Mbps Giga ブラック【 Nintendo Switch動作確認済】 WSR-2533DHP-CB
11ac規格で4ストリーム内蔵、最大通信速度1733Mbpsの超高速通信が可能な無線LANルーターです。
受信する端末を特定して、最適な電波を効率良く届けるビームフォーミング機能はもちろん搭載されています。
更にiPhoneユーザー向けに「ビームフォーミングEX」という機能もあります。
基本的な性能は通常のビームフォーミング同じですが、
なんとビームフォーミングに対応していなかったiPhone5s・iPadにも対応できるようになっているんです。
また4ストリームのハイパワーだから、多くの機器を繋いでもどれも快適に通信できるでしょう。
利用推奨環境は3階建て4LDK、同時接続18台まで。
もちろんスマホのみのかんたん接続設定にも対応しています。
お子様のネット使い過ぎを防ぐ「ペアレンタルコントロール機能」や、家庭内のネットワークに干渉しないお客様用Wi-Fi「ゲストポート」も何かと便利です。
家族が多い方や多くの機器を接続しても快適な通信を求める方に、おすすめの無線LANルーターです。
ASUS RT-AC88U
Amazon:25,887円(18年5月現在)
ASUS 高速無線ルーター ギガビットデュアルバンド2167+1000Mbps(11a/b/g/n/ac対応 )ゲーミング最適化機能 WTFAST RT-AC88U(最大21台/3階建/4LDK)
これまで紹介してきた無線LANルーターとは一線を画す、最大通信速度2167Mbpsの超爆速無線LANルーターです。
その正体はゲーミング無線LANルーターであり、11n規格の2.4Ghz帯の通信であっても1000Mbpsの爆速通信をする事ができます。
ゲーミング無線LANルーターとしては、ゲームの通信(特定通信)の優先度だけを高める「Adaptive QoS」といった機能や、
オンラインゲームの大敵である”ラグ”を軽減する「WTFast機能」が搭載されています。
特に「WTFast機能」では、ping値(応答速度)を30%~60%も低くすることができるのです。
またMU-MIMOも搭載しており、デュアルコアCPUで複数機器繋いでも変わらない超速度で利用できます。
もちろん通常の家庭用無線LANとしても使用できますが、特に初心者の方にはかなりのオーバースペックとなってしまうでしょう。
なかなか万人におすすめできるものでもないですが、とにかく高スペックにこだわるならおすすめの無線LANルーターです。
最後に
無線LANルーターはどれも同じように見えますが、細かくみていくとそれぞれに特徴があり1つ1つ違いがあります。
今回お伝えした選び方を参考にしつつ、ぜひあなたのライフスタイル・目的にあった無線LANルーターを選んでみてくださいね。
もしご紹介した無線LANルーターに目的の物がなければ、コチラから価格を絞ったりしながら探してみて下さい。